新体育館は未開園地域(約10,000㎡)に建設すると、2016年1月の再整備構想の段階から2016年10月現在の基本設計まで一貫してそう説明されてきました。中野区の区報でもそのように説明されてきました。
しかし、地図や図面で調べると、草地広場に隣接した下水道センター側のへこみの部分の面積が基本設計ではより小さく記載され、本来は下水道局の管理下にある地域(約500㎡)に食い込んで体育館が設定されていることが分かりました。 これは日本設計の完全な設計ミスです。いずれにしても、大前提である未開園地域に体育館を建設するなら、もっと右に寄せて未開園地域内に建設しなければなりません。設計のやり直しだけでなく、住民説明会もパブリックコメントも最初からやり直しが必要です。

中野区は豊洲の地下空間と同じで、設計の間違いに気が付かずに、住民にも、区議会にも未開園地域に収まる設計になっていると説明、ホームページでも発表してきました。

中野区は、どうも最近この設計ミスに気が付いたようで、何とか、取り繕って日本設計のミスを隠そうとします。中野区は10月に都市計画を変更、500㎡を公園地域に追加して東京都知事協議会に通知しました。都市計画審議会の諮問を受けたのは11月8日、500㎡を追加した都市計画が正式決定したのは11月14日です。ちなみに、都市計画審議会は7月27日にも開催され、平和の森公園を「拡張するため、区域と面積を変更する」として図面を発表していますが、その時は上記の500㎡は追加されませんでした。

11月30日に開催された区議会の建設委員会に、未開園地域をはみ出し、下水道センターが管理する土地に体育館が建設される設計になっている旨を指摘した陳情書の審議が行われました。しかし、建設委員会は都市計画には上記の500㎡が含まれているから問題ないとして、陳情書を不採用と決定しました。あたかも初めからこの地域が公園地域に含まれていたかのような説明でした。
 問題はこの都市計画がいつ決定されたかですが、それは不問にしました。 未開園地域に新体育館を建設するとの大前提は無視、設計ミスに計画を合わせてしまったのです。9800万円もの委託費で日本設計に作らせた設計ミスは隠されてしまいました。ミスは隠され闇の中。 中野区のBLACK BOXでしょうか? 

私たちは、未開園地域からのはみ出しは、平和の森公園通りにもあるのではないかと、いま調べているところです。平和の森公園通りの幅は現在、6.35m 余りしかありません。
平和の森公園地区計画では公園に隣接する平和の森公園通りの6.35m幅区間だけを除いて妙正寺川から早稲田通りまでを12mに拡幅する計画です。そこだけが抜けています。

平和の森公園と新体育館を防災の拠点としたいのであれば、6.35mの細い道路の12m道路への拡幅は極めて重要だと思います。区役所から平和の森公園まではほぼ直線的に平和の森公園通りでつながっています。 電柱を地下化し、地震が来ても電柱が倒れて消防車や緊急車両が道をふさがれることのない平和の森公園通りが必要ではないでしょうか?拡幅計画を作ることができない体育館の設計になっているのではないかと懸念しています。 
(沼袋在住 S.H)