中野区は「平和の森公園 再整備計画」について、なぜ、いつものように与党が絶対多数をにぎる議会審議だけでなく、わざわざ住民説明会やパブリック・コメントを実施したのか?
それは中野区自治基本条例 第14条に平和の森公園の再整備のような「広く公共の用に供される大規模施設の建設に係る基本的な計画の策定又は変更」は区民の参加のもとで、「原則として、意見交換会及びパブリック・コメント手続を経るものとする」と区民参加の手続きを指定しているからです。さらに自治基本条例は「執行機関は、区民の参加により示された意見を踏まえ、区民の総意または合意点を見極めるものとする」と指定しています。
では、区民が参加した説明会やパブリック・コメントに示された意見を踏まえて、区民の総意または合意点を見極めて、平和の森公園再整備計画を進めているか? 完全に否です。
区の言い分は、32万区民の意思を確かめることはできないから、説明会やパブリック・コメントに参加していない区民の意見も考慮し、区が全体を総合的に判断している。それは区民意思の代弁者である議員の意見を反映しているからだ。要約すれば議員が賛成しているからいいのだというものです。
この区の言い分は、自治基本条例の定める「意見交換会やパブリック・コメント、区民参加」を否定するものです。意見交換会やパブリック・コメントに参加し示された区民の意見は踏まえなくても構わない、議会で決めればいいという考えであり、中野区自治基本条例からの完全な逸脱です。
(沼袋 H.S)